来年度の英語の教科化で英語教育はどう変わるのか?

 来年、いよいよ全国の小学校で、英語が教科化されます。現在はその移行措置の段階で、小学校5,6年生で週に1~2時間(1コマ45分)の授業が行われており、来年度からは、正式な教科として週に2回(年間70時間)となります。そして、3、4年生でも外国語活動として、「話す」、「聞く」を中心とした授業が行われます。

 そして小学校で学ぶ英語の単語数は、約600語程度となる予定です。現行の中学校で約1200語ほどを学んでいるので、その半分ぐらいということになります。

 

 しかしながら注目すべきは、書く活動については、「書き写す」ということになっているので、今までの中学校のような「試験のために単語や文章を暗記して書けるようになる」とはイメージが違い、ハードルは低いと言えます。

 ですので、小学校での教科化については、それほど懸念事項ではありませんが、気になるポイントとしては、「では中学校では、どれくらいの単語を学ぶのか?」というところでしょう。

 

 私が一番心配なのは、その中学校の英語教育についてです。小学校では600語ほどを学び、再来年度の中学校の新学習指導要領では、中学校は現在よりも400語ほど多い、1600語を学ぶ予定になっていると言われているからです。

 単純に計算すると、これまでの高校入試では、中学校で学ぶ1200語を中心に問題が作成されていたものが、今後は、小学校の600語+中学校の1600語=2200語の単語から構成される入試問題になるということになります。

 

 全国の学力調査では、平均すると高校3年生の英語力は英検3級程度(1200語)であるため、その現状を考えると、果たしてこれからの子どもたちは本当に授業についていけるのかということが心配です。

 中学校でも英語の授業数が増えて、かなり徹底したカリキュラムが組まれる条件がそろえば可能かもしれませんが、そこに期待するには無理があるようです。

 

 そして大学入試については2年後には、現在の「聞く」、「読む」の試験に加え、全員が「話す」、「書く」の試験が必須となりますので、これからは特に「話す」ことに不安を抱える生徒も多くなると思われますが、果たしてどうなるのか…。

 今後の学校の英語教育には注目せざるを得ませんね。

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